X線検査装置は、金属異物だけでなく、石、プラスチック、硝子などの異物を高感度に検出し、商品の割れや欠け、個数、形状などの不良品検査を通じて品質管理の向上を実現するための検査機器です。
X線検査装置は、金属異物のみならず、石、プラスチック、硝子といった異物を高感度で検出することができるため、商品の割れや欠け、さらには個数や形状のチェックを含む不良品検査を通じて品質管理の向上に寄与します。
この装置は、X線を食品や他の製品に照射し、その透過量から異物を識別することで、包括的な安全性確保を可能にします。
X線検査装置の動作概要
- X線検査装置の動作概要は以下の通りです。
- ①X線発生装置から発生するX線が、コンベヤ上を流れる被検査物に放射線状に照射します。
- ②ラインセンサーが被検査物を透過したX線を受光します。
- ③受光した透過量を数値化して、画像へ変換します。
- ④画像解析により異物混入を自動判別します。
X線検査装置の動作は、X線を被検査物に照射し、透過したX線の量をセンサーが捉え、そのデータをもとに画像に変換して異物を自動で識別します。
安全面においては、X線照射中には赤ランプが点灯し、機械の扉が開いたり、防護装置が取り外された状態ではX線が照射されない安全設計が施されています。
また、清掃性を考慮したサニタリー構造が採用されており、検査室には防水設計が施され、清掃が容易な設計になっています。
金属検出機とX線検査装置の違い
金属検出機との比較では、金属検出機は電磁場を利用して金属異物を検出するのに対し、X線検査装置は金属だけでなく、非金属異物も検出できるという大きな利点があります。
これにより、X線検査装置はより広範囲の異物検出が可能となり、食品工場などでの品質管理における信頼性と安全性の向上に貢献します。
選択にあたっては、検出の必要性、予算、製品の種類、生産量など多くの要因を考慮する必要がありますが、金属検出機とX線検査装置の組み合わせを利用することで、異物検出の範囲と精度を最大化することが可能です。
1. 金属検出機:
– 原理: 金属検出機は、電磁場を使用して金属物体を検出します。金属物体は電磁場を妨げ、これにより検出されます。
– 検出対象: 金属検出機は、主に金属の異物(例: 鉄、アルミニウム、銅など)を検出するのに使用されます。
– 利点: 金属の高い伝導率により、金属検出機は金属の小さなかけらも検出できます。
– 制限: 金属以外の異物(例:プラスチック、ガラス、木など)は検出できないため、あらゆる異物の検出には適していません。
2. X線検査装置:
– 原理: X線検査装置は、食品サンプルにX線を照射し、そのX線の吸収パターンを検出して異物を特定します。各材料の吸収率は異なるため、異物は他の食品成分から区別できます。
– 検出対象: X線検査装置は金属だけでなく、非金属異物(例:プラスチック、ガラス、石、骨など)も検出できます。さらに、形状や密度の異なる異物も検出可能です。
– 利点: 多目的に使用でき、金属以外の異物も検出できるため、より包括的な異物検出が可能です。
– 制限: X線検査装置は、定期的に消耗部品の交換が必要となります。
X線検査装置のバリエーション
直接変換型X線検査装置
IX-PDは直接変換型X線検査装置で、新型センサとエネルギー分析機能の搭載により、軟質異物や微小異物も高感度に検出できます。さらに、重なりや凹凸のある商品でも高精度な検出を実現し、食品と異物との差を高精度に判別することで歩留まりを向上させます。初心者でも使いやすいオートセット機能も備えています。また、HACCP対応モデルで防水構造を採用し、検査室も防水仕様(IP66相当)で、水をかけて簡単に清掃可能なので、衛生的です。
軟質異物感度向上型X線検査装置
軟質異物感度向上型X線検査装置 IX-G2-Fは、商品の品質向上や歩留まりの向上に貢献する高精度な検査が可能です。新型ラインセンサにより、軟質異物を高感度に検出し、誤検出を低減するキャリブレーションの精度も向上しました。さらに、分厚い商品にも有効な画像改良検出方法を採用しています。デュアルエナジーセンサによるエネルギー分析機能を活用することで、商品の影響をなくして高精度な検査が実現されます。
AI搭載タイプX線検査装置
このX線検査装置は、AI技術を搭載し、より高い検査精度と誤検出の低減を実現しました。また、鶏むね肉や鶏もも肉、ウインナーの中に混入した残骨を高感度で検出することに特化しています。検査室はオールステンレス構造で、高い清掃性を実現しており、IP66相当の防水仕様で水をかけて洗浄できるため、衛生的です。工具なしで部品をかんたんに取り外せるのも特長のひとつです。高防水タイプも展開しているので、用途に合わせて選ぶことができます。
デュアルエナジーセンサ搭載タイプX線検査装置
「デュアルエナジーセンサ搭載タイプX線検査装置 IX-G2」は、食品中の異物を高精度に検出できる最新の機器です。
エネルギー分析機能によって、誤検出を低減し、骨や貝殻、石、ガラスなどの軟質異物の感度向上を実現します。また、異なる性質の2枚の画像を比較することで、重なり合う商品からも異物を検出できるため、食品の安全性を高めます。
さらに、オートセット機能によって、初心者でも簡単に設定できます。また、様々な目的に合わせたバリエーションも用意されており、高圧洗浄が可能な防水タイプや裸製品向けの台形コンベヤタイプなど、ニーズに合わせた設置が可能です。
清掃性も高く、部品は工具なしで取り外し可能なオールステンレス構造で、検査室も防水構造を採用しています。検査室防水仕様(IP66相当)で水をかけて洗浄できるので、衛生的な環境下での使用も可能です。
高感度タイプX線検査装置
高感度タイプX線検査装置「IX-GN」は、幅広い検査に対応し、独自の7段階画像解析技術を搭載しています。異物を高感度で検出し、最大4つまでのGAプログラム登録が可能で、より高感度な異物検出をサポートします。さらに、豊富なプログラムライブラリーから目的に合ったプログラムを選ぶことができ、密閉構造により外気中の粉じんなどが装置内に侵入するのを防ぎ、トラブルを低減します。操作も簡単で、検査物を数回流すだけでX線出力、コントラスト、感度レベルなどの項目を自動で設定します。豊富なバリエーションも用意されており、重量物対応「-S model」、バラ製品用「-H model」、背の高い商品用の3機種を取り揃えています。お客様の商品に最適なパターン、ベストな設定で高感度検査をサポートします。
長期保証タイプX線検査装置
「長期保証タイプX線検査装置 IX-EN」は、従来に比べ最大で3倍の保証期間を誇ります。これにより、安心してご使用いただけます。また、冷却装置にヒートシンクを採用し、低出力X線の搭載により、消費電力を大幅に削減し、ランニングコストも低く抑えることができます。密閉構造により、外気中の粉じんなどが装置内に侵入することを防ぎ、トラブルを低減するとともに、すっきりとした外観を実現しました。誰でも簡単に操作できるオートセット機能も搭載されており、最適な検査設定が自動的に設定されます。また、標準機以外にも重量物対応、バラ製品用、背の高い商品用の3機種をご用意しています。
高感度長期保証X線検査装置
X線検査装置「IX-EN-24A1」は、異物を高感度で検出することができます。この装置は、進化的画像処理「GA」という画像処理技術を活用しており、商品ごとに適した画像処理アルゴリズムを選択することによって、高い精度で商品の異物を検査することができます。
さらに、この装置は、新機能GAオートチョイスを搭載しており、登録リストから選択した異物に対して約300個のGAライブラリから検出パターンをすべて試し、最適なものを自動で選択することができます。これによって、誰でも簡単にプロ仕様の設定が可能となります。
さらに、この装置は、安心の長期保証を提供しています。最大15,000時間の長期保証で、安心してお使いいただけます。購入から3年、または使用時間15,000時間のどちらか早い方まで保証が適用されます。
X線検査装置「IX-EN-24A1」は、使いやすく進化した製品です。異物を検査する際には、是非この装置をご利用ください。
かみこみ検査用X線検査装置
このX線検査装置は、今まで検出できなかった薄いシートやフィルムのかみこみ不良を高精度に検出できます。また、画像処理技術の向上により、かみこみ検査だけでなく、異物検査も可能です。さらに、冷凍パスタや冷凍ピラフ、湿布、フェイスシートなど、これまでかみこみ検出の難しい商品も幅広く検出できるため、生産ラインの安全・安心に貢献します。
新センサーの採用により、薄い包材でも鮮明な画像を検出できるため、より高精度なかみこみ検査が可能です。また、分割コンベヤの採用により、コンベアの影響を受けずに検査ができるため、コントラストもはっきりとしています。さらに、工具レスでコンベヤの着脱が可能で、軽く水洗いもできるため清掃性も向上しています。
大型商品向けX線検査装置
「大型商品向けX線検査装置 IX-EN-5592/GN-5523」は、大型・重量物商品に対応した最新モデルの検査装置です。カートンや包装品、番重に入った商品など、比較的大きいサイズの商品にも対応しており、最大検査幅550mm、最大検査高さ270mm、最大搬送質量30kg(オプション対応)になります。
この装置には、ランニングコストを抑えた汎用タイプと、感度を重視した高感度タイプの2つのタイプがあります。また、大型モデルでありながら、省スペースでの設置が可能なコンパクト設計となっています。
操作も簡単で、検査物を数回流すだけでX線出力(管電圧・管電流)、コントラスト(画像強調)、感度レベルなどの項目を自動で設定します。さらに、密閉構造により、外気中の粉塵などが装置内に侵入するのを防ぎ、装置トラブルを低減します。
大型幅広商品向けX線検査装置
「大型幅広商品向けX線検査装置 IX-GE-6512/6522」は、特大サイズの商品でも異物を高感度に検出できる大型で幅広い商品向けのX線検査装置です。最大検査幅は650mm(6522型は620mm)で、大箱や大袋でもオートセット機能によって容易に感度設定ができ、高精度な検査を実現します。
キャスター付きコンベヤを採用しており、清掃時はコンベヤを引き出し、ベルトを簡単に取り外せるため清掃が容易です。また、オールステンレス本体で検査室は防水構造になっており、HACCP対応の本体構造です。幅広い商品に対応できる大型商品向けX線検査装置で、安全・衛生面も考慮された設計となっています。
省スペースタイプX線検査装置
「省スペースタイプX線検査装置 IX-GE-1063」は、業界最小クラスの超小型X線検査装置です。本体幅555mm、奥行き450mm以下のコンパクトなサイズで、設置面積が削減できます。また、50mmピッチでの多列配置が可能なので、レイアウトに柔軟に対応し、検査体制の効率化を図れます。高感度・高性能でありながら、低出力のX線エンジンを搭載しているので、省エネ運転でコスト削減・環境保護にも貢献します。質量推定機能、欠品検査機能、マスク機能を標準装備しており、従来機と変わらない機能を発揮します。さらに、ヒートシンクを採用した冷却方式で、検査室内に空気中のチリやホコリが入らず、耐久性アップ、衛生面にも貢献します。
ボトル商品向けX線検査装置
このX線検査装置は、縦長の食品や飲料を対象としたサイドビームタイプのX線検査装置で、ボトル・紙パック商品に混入した金属や非金属の異物を高感度で検出できます。
また、既存のラインを大きく改造することなく設置できるため、手直し箇所を最小限に抑えながら簡単に導入できます。さらに、キャップの閉め忘れや充量の検査など、異物検査以外の製品検査も可能で、製品の品質を保つことができます。
バラ商品向けX線検査装置
食肉や調味料などのバラ商品に特化したX線検査装置です。カーテンレスタイプで、コンベヤを台形にすることで短い防護カバーでもX線の漏洩を防ぎます。バラ商品の異物検査に最適です。